このかわいい表紙は、ロンドン在住のイラストレーター、エマ・ブロック氏によるガッシュのレッスン本 “Get Started with Gouache”。私はエマさんの絵が大好きで、エマさんが2年前に出版された透明水彩レッスン本 “The Joy of Watercolor” はレッスンすべてを体験ずみ。今年はこのガッシュ本が出版されるのを楽しみにしていました。
ガッシュとは不透明の水彩絵の具のことで、この本ではエマさんの素敵なイラスト31点をお手本に、ガッシュのテクニックを学べます。どういうレッスンかは、エマさんのサイトの紹介ページが見やすいです。
私は毎週日曜日にこの本でガッシュの練習をしています。なにより各レッスンの課題のイラストが素敵だし、本の構成がよいので初心者でも始めやすいです。透明水彩も楽しいですが、もしかしてガッシュのほうが初心者が扱いやすいかもしれません。
私ふくめ、PCでの仕事が中心のかたも多いと思うけれど、非デジタルで線を書いたり、さまざまな色を作ったり、手作業に集中したりするのはちょっとした気分転換になって、おすすめです。
画材については本に詳しい説明があるものの、いま日本で買うならどれがよいか、私は少し迷いました。なので今日は、私が購入した画材についても書いておきたいと思います。
ちなみに本は英語ですが、説明に絵もついているし、自分で手を動かすレッスンなので問題ないと思います。
用意するもの
ガッシュ
ホルベイン 不透明水彩絵具 ガッシュ 18色セット G704 5ml(2号) 003704
ガッシュとは、透明水彩とは異なるマットな不透明水彩で、乾きやすい特性があるので、セル画の着色や油絵の習作、イラストレーションに使われることが多いみたいです。ちなみにアクリルガッシュはツヤツヤするので、このレッスン本では使われていません。
たしかに美術館で、油絵画家の習作に「素材 ガッシュ」と書いてある時があるな。。と思っていたので、ガッシュという言葉自体は知っていましたが、使ったことのない画材でした。エマさんが本の中で「gouacheの発音は…」から始めているくらいなので、日本以外でも一般の人には知名度低めの画材みたいです。
レッスンごとに使う色が示されており、エマさんはウィンザー&ニュートン(W&N)を使っているので、W&Nの色の名前で書かれています。でも、ホルベインもおすすめとして言及されていますし、特定のメーカーを使う指示ではありません。
私もはじめはW&Nに興味がありましたが、日本ではW&Nのガッシュは販売されていないみたいで(※)、ホルベインの5mlの18色を買いました。もっと色数の少ないセットもありますし、無い色は混ぜて作ればよいのですが、手持ちの色が少なすぎると色づくりが大変かなと思います。なので私は18色にしてよかったです。
ただ、5mlのチューブだと全レッスンこなすには白が足りなくなりそうです。私はまだ全レッスンの半分も終えていませんが、白だけすでに半分以上消費しています。いずれ買い足そうと思います。
(※)東京・新宿の世界堂にありましたが、透明水彩の横にひっそり並んでいて、透明水彩よりはチューブのバリエーションが少なかったです。W&Nとホルベインがあいました。
紙
ホルベイン アルビレオ水彩紙 ブロック 中紙218g(並厚口) 中目 24枚とじ
絵の具同様、紙も良いものを使うに越したことはないですが、透明水彩ほど厚みがなくてもよいかも?と思います。私は当初、透明水彩と同じARCHES(アルシュ)のコールドプレス300gのコットン100%を使っていたのですが、もう少し薄くても大丈夫と感じました。透明水彩ほど水分たっぷりで描かないためだと思います。今使っているアルビレオは、200gのパルプ100%で、ARCHESよりかなりリーズナブル。
ちなみに四方をのり付けされています。描くときはのり付けされた状態のまま描き、描き終わったらレターオープナー等を紙の間にはさんで、1枚に剥がします。
透明水彩を始めたときに知ったのですが、特に透明水彩は水分が多めなので、描き終わったときに紙がパカパカ反ってしまうのですよね。それを防止するために、描く前に紙に水を含ませておく「水張り」という作業がありますが、私はちょっと面倒で、やったことがありません…こういう糊付けされたタイプだと、水張りをしなくて済むと知りました。
絵筆
透明水彩と違って、高級な獣毛の絵筆を使う必要はなさそうです。結構ドライな質感を表現したりするので、水含みのよいやわらかな高級筆だと使いづらいと思います。かといって、すごく安価で毛が抜けやすいものも使いづらそう。私は透明水彩を始めたときに買ったターレンスのヴァンゴッホ水彩絵筆の丸筆3本(10号、4号、2号)を使っています。獣毛とポリエステル混合のリーズナブルな赤い絵筆です。
筆のサイズについてはターレンスのwebサイトがわかりやすいです。
本の中では丸筆と平筆を使ったレッスンがありますが、おもに丸筆が使われています。私は丸筆しか持っていないので、そのうち平筆も買おうと思います。
パレット
私はすでにプラスチックのパレットを持っていましたが、これから買うならプラスチックは避けたいので、この陶器製のものを買うと思います。アルミやステンレスもエコかなと思いましたが、白陶器のほうが作った色がわかりやすそう。
わりとたくさん色を作る場合があるので、長方形の小部屋が並んでいるタイプだと少し使いづらいかもしれません。
水彩色鉛筆
一部のレッスンで使います。でも無かったらないで、鉛筆でもいいかも。私はふるーいステッドラーのを持っていたので、それを使っています。パッケージデザインがずいぶん違うけど、これの古い版。
鉛筆、消しゴム
私は引き出しの奥にあった古いHB鉛筆と練り消しゴムを使っています。練り消しゴムでなく、普通の消しゴムで問題ないですが、私は紙の表面をできるだけ傷つけたくないので、練り消しゴムが好きです。
マスキングテープ
使うレッスンがありました。剥がしちゃうのでなんでも大丈夫です。
必要な画材は以上です。Instagram の#getstartedwithgouache タグを見ると、たくさんの人がこの本でガッシュを楽しんでいるのを見られます。私も投稿していますが、同じ課題を他の人がどういう風に描いているか見られるので刺激になります。一緒にガッシュを楽しむ人が増えたら嬉しいです。
英語
Get Started with Gouache: A Colorful Guide to Painting the World Around You
ペーパーバック
Emma Block
装画 Emma Block
装幀 Nemo Liu
2020.07.07