エリフ・シャファク氏は、トルコ出身の作家です。作家という肩書きの他に、学者、講演者、女性の権利活動家でもある彼女は、多方面で活躍し支持を得ています。TEDでも「フィクション小説の利害」「多様な考え方が持つ革命的な力」と2回の講演を行っています。
また毎年1名選出され、原稿を誰にも見せず保管し、公開されるのは100年後(2114年)というタイムカプセルのようなコンセプトの 図書館、ノルウェーの「未来の図書館」プロジェクトでは、4人目の作家にも選出されました。
ご自身のホームページでもこれまでに出版された著書の紹介をしており、エキゾチックで美しい装幀の著書が並んでいます。
以前紹介したカーレド・ホッセイニ氏はアフガニスタンの作家ですが、これまではあまり馴染みのなかった中東の作家さんに最近注目しています。
さて。日本語版の表紙を飾るのは、千海 博美氏の美しいイラストレーション。ザクザクっとした線なのに繊細さを感じさせるこの絵は、どうのような手法で制作されているのか興味をもちましたので、ちょっと調べてみました。するとホームページにその技法が紹介されていました。それによると「版木に直接アクリルガッシュを塗り彫刻刀で堀を入れる」という技法で制作されているそうです。
一般的な版画は「色別の版木に着色し、紙を押し当てて印刷」を繰り返します。ですので通常の版画の版木はあくまで絵を制作するうえでの、いわば材料なのですが、千海博美氏の技法では、版木自体がキャンバスであり、主役ということですね。
英語
10 Minutes 38 Seconds in this Strange World: SHORTLISTED FOR THE BOOKER PRIZE 2019 (English Edition)
Kindle版
Elif Shafak
2019.06.06